sangak’s diary

『取調室』を見て思うこと

BS日テレで再放送していたTVドラマ『取調室』。

 

 wikipediaによると、1994年から2003年にかけて全19話が放映されたシリーズとのこと。

 

 大好きないかりや長介氏の主演ということで、たまに拝見していたのですが、結構怖い内容のドラマでした。

 

 何がというと、被疑者が簡単に勾留されてしまうことです。

 

 最終話となる第19作では、被疑者役の宅麻伸氏は、「自宅の電話には、留守番電話を転送・再生する機能がある」という理由でアリバイが否定され、殺人容疑で何日も勾留されてしまいます。

 

 さらに勾留中に、まったくの別人が被害者の通帳を使用するというところが目撃されても、「これも偽装工作の可能性がある」として釈放されません。それによって重要な会社の契約を逃してしまっています。

 

 また取調中、被疑者のそばには弁護士がついていません。これは日本の司法制度がそのようになっているのですから当然ですが、海外の刑事ドラマを見慣れていると、どうにも違和感がありますね。

 

 あちらのドラマでは、確実に犯人と思えるだけの証拠がそろっていても、弁護士の堅固なガードによって逮捕をはばまれることがしばしばで、それを突き崩すだけの証拠を探す刑事との駆け引きも見どころの一つとなっています。

 

 最近では、国内のドラマでも刑事と弁護士のバトルが描かれるようになりましたが、本作が作られた20年以上前は、まだそういう作風ではなかったのでしょうかね。

 

 いかりや長介氏演じる水木正一郎は「落としの達人」と異名をとるほどのベテラン刑事で、長年磨きあげた鋭い勘働きによって犯人を見抜き、勾留にもっていってるわけですから誤認逮捕ということは起きません。

 

 しかし、見ていて思ったのです。「もし、本当にこの人たちが無実だったら……」と。とても怖いと思いませんか? 自分の証言は認めてもらえず、別人を示唆する有力な証拠があるのに勾留され続けてしまうのです。そんなことが何日も続けば、もし無事に冤罪が晴れたとしても、仕事を失い、周りの信頼もなくし、人生を狂わされてしまうでしょう。

 

 もちろんこれはドラマであり、「取調室」を舞台にしなければならない以上、かなり脚色されているはずです。実際の警察ではこのようなことがないと信じたいですね。