sangak’s diary

『ひるおび』を見て思うこと

●謝罪の意思はあったが、慣習が気になった

 

 元横綱日馬富士氏が警察の事情聴取で、会見の場では触れなかった貴ノ岩への謝罪の言葉を述べているという件について、NHK出身のフリージャーナリストの鎌田靖氏は「私も会見を聞いた際に、貴ノ岩への謝罪が無かったことにアレっと思った。しかし後で話を聞いたところ、じつは最初から謝罪をする予定だったのだが、日本語が母国語ではないこと、会見の場で緊張していたこと、さらにモンゴルでは格下の者に謝罪するという慣習があまりないなどの事情から、謝罪の部分を飛ばしてしまったらしい。謝罪については、警察でも何度も言っている。謝罪の意思が無かったわけではない」とコメント。

 

 謝罪の意思があるのに慣習を気にするんですかね……。そもそも、事の発端は、その「モンゴルの慣習」が原因ではなかったのでしょうか? 報道では「モンゴルでは上下関係が厳しく、今回の暴行は、いきすぎた指導が原因だった」とされています。
 一連の行為を本当に反省しているのであれば、「モンゴルの慣習にこだわる」こと自体を、自ら否定するべきなのではと思います。

●またしても慣例

 

 また、白鵬の「貴乃花巡業部長の下で冬巡業には参加できない」という批判を受けて、貴乃花親方が巡業に同行しないことが決まった件では、十両の関取以上で構成する力士会で「稽古を番付の東西交代制にして休みを求める」など、巡業の待遇改善を求める提案書を協会へ出していることにふれました。
 相撲でいう巡業にいろいろな意味合いがあるらしく、力士としては「巡業=行楽」的な見方があるそうです。しかし、貴乃花巡業部長は、「巡業でこそ厳しく鍛錬すべき。巡業で手を抜くから怪我をする」というスタンスで、「巡業数が多いから怪我をする。巡業中、相撲協会は休んでいるではないか」というモンゴル人力士の方々との間で溝ができていたそうです。
 これについては、元スポーツキャスターの大隅潔氏は「まるで労働組合みたいですね。お客からしたら、『今日は東のほうだけ、明日は西のほうだけ』なんてのはおかしい」と批判されました。
 相撲素人の自分には、どちらのスタンスが正しいのか分かりませんが、まるで労働組合が悪であるかのような表現に方が少し気になりました。実際に現場で苦労している人たちがいるのなら、それは改善すべきではないのでしょうか? 「慣例だから」で、現状を省みないのであれば、それはただの思考停止です。
 振り返ってみれば、近年、相撲協会で起きている不祥事のほとんどは、その「昔から」の慣例にこだわった結果ですよね? 本当に改革する意思があるのなら、慣例を打破するところから始めないとだめなのではないでしょうか。
 こういう認識のズレをみても、相撲業界には、根本的な部分で時代錯誤なものがあるような気がしてなりません。