危機管理委員会の調査結果報告書から浮かび上がる新たな疑惑(相撲)
元横綱日馬富士関による暴行に端を発した騒動はまだまだ終息しません。20日には、日本相撲協会の危機管理委員会が調査報告書を提出し、本日昼間のワイドショーでは、各番組がこぞってこれを扱いました。
●お金で済ますのが一番お手軽?
20日、元横綱日馬富士関による暴行事件を受け、日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会の臨時会合と協会の臨時理事会が開かれ、関係者各位の処分が決定しました。
白鵬は1月の給料を全額不支給、2月は50%カット。鶴竜についても1月は全額不支給、日本相撲協会の八角理事長は、自らの処分について、残り任期3カ月の報酬を全額返上するとした。
両横綱の処分に関して、スポーツ評論家の玉木正之氏は、「これは甘いですよ。お金に困ってない人に、罰金をしたところでこたえるわけがない」(『ひるおび』)とばっさり。
また、八角理事長の処分に関しては、『バイキング』のMCでタレントの坂上忍は「理事長の態度には『まだすべてが片付くまで責任をもつ、お金はいらない』という意思を感じた。一相撲ファンとしては、よく言ってくれたと思う。けど『来年2月の理事長選には出ない』という発言はなかった。そこまで言って欲しかった」とチクリ。
東京相撲記者クラブ会友の山崎正氏も「お金のことだけ考えたからこういう結果になったのでしょう」と失笑を交えてコメント(『バイキング』)。
●白鳳は暴力行為を止めたわけではない?
また新たに提出された報告書に関しては、元裁判官・国際弁護士の八代英輝氏は、元日馬富士が最初に殴打する時点まで貴ノ岩の主観が入っていないことを指摘。「中間報告とほとんど変化がない。ちゃんと貴ノ岩に確認をとったのか?」と内容の信憑性に疑問を呈しました(『ひるおび』)。
報告書には、当日の白鳳の言動についても触れられていました。暴行事件の当日、以前、白鳳自身は「すぐに止めに入った」というコメントしていましたが、報告書によると、元日馬富士が殴打を重ね、近くにあった物を手にしたとき、白鳳が「物を使うのはやめよう」と言ったとされている。
これを受けて、玉木氏は「これって止めてませんよね? 『物を使うのは駄目だが、素手ならいい』と言ってるようなものでしょ」と呆れたようすで語り、同席の八代氏も「白鳳氏の言っていたこととまるで違いますよね」と指摘。
事態を沈静化するはずの報告書が、新たな火種になってしまったようです。