sangak’s diary

貴乃花親方と相撲協会、礼を知らないのはどちらか

 

相撲 2017年 01 月号 [雑誌]

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 ●貴乃花親方が理事解任

 臨時評議委員会では、全会一致で貴乃花親方の理事解任が決まり、『ひるおび!』でもさっそくこの話題を取り上げていました。
 臨時評議委員会の池坊保子議長によると、理由は「礼を失している」とのことです。協会側の要請に答えず、訪問を受けても顔を出さなかったことを理由のようです。
 元スポーツキャスターで東京相撲記者クラブ会友大隅潔氏は「2月の理事選にでられることを考えたら、レッドカード気味のイエローカード。『次に同じことをしたらもっと重い処罰がありますよ』という意味でしょう」
 加害者側の伊勢ケ浜親方と被害者側の貴乃花親方が同じ二階級降格という処罰を受けることに関して、スタジオでは首を傾げる人たちが続出。
 タレントのふかわりょう氏は「2人の処罰に関して、理由はそれぞれ違うのでしょうが、貴乃花親方の今回の行動が、角界に影響を与えた点を考慮することはないのでしょうか?」と、親方の行動によって角界の忌むべき習慣が浮き彫りになったことを指摘。
 大隅氏によると「11月28日に、白鳳の『貴乃花親方が巡業部長なら、巡業には行きたくない』と発言しましたが、この一言で、貴乃花親方は巡業部長でありながら冬巡業に参加することができず、あのとき事実上、降格が決まった。さらに貴乃花親方が用意した報告書に関し、協会側が回収し、破棄てしまったことも、貴乃花親方としては屈辱だったと思います」。
 また、理事選に関しても、NHK出身のフリージャーナリストの鎌田靖氏によると「理事選にでられるとしても、最終的に選任するのは評議会。何かしらの条件を付け加えることはあるのではないでしょうか」と、公平な扱いを受けないのではないかと懸念を示しました。

●協会に礼を口にする資格はあるのか?

 元裁判官・国際弁護士の八代英輝氏は「法律に携わる立場としては結果の公平性を見る。辞任とは名誉ある辞職、引退も同様。加害者側に対しては名誉ある処分を下し、加害者側には『処分』を下している。なぜ、加害者側が名誉を認められ、被害者側には罰を与えるのか。相撲協会には、結果としてこれが相当に見えるのか?」と批判。
 これに対しスポーツ評論家の玉木正之氏が「協会側は暴行問題はすでに終わったという判断で、貴乃花親方の処分はその後のことなんですよ」と意見を述べると、八代氏は「それは玉木氏の意見ですよね? 発端が暴行事件であり、その処分を巡っての判断なんですから、『暴行事件が終わった』というのはおかしい。報告処分と言うのなら、現場に同席していた他の相撲関係者にも同等の処分を下すのか?」と重ねて反論。
 熱い激論がかわされる中、ふかわ氏は「相撲にも法律にも詳しくない素人としてのフラットな意見ですが、貴乃花親方の怒りに対して、協会側も怒りで対応してほしくない。そこは『処分なし』と、懐の大きさを見せてほしかった」と。
 その後、理事の選任に関して話が進み、スタジオでは一昨年1月の投票の模様が提示されました。これを見て小説家でタレントの室井佑月氏が「話し合ったみたいに票が割れているじゃん」と指摘すると、玉木氏が「話し合ったんですよ。談合です。相撲協会ってのは、談合でシャンシャンシャンです」と認めたのに対し、鎌田氏は「談合だと犯罪になってしまうので、『談合のようなもの』で」と苦笑して訂正しました。
 相撲協会いわく貴乃花親方の行為が礼を失しているとのことですが、そもそも相撲協会が「礼」を口にできる立場なんでしょうかね? これまで、礼を理解できない力士を横綱に指名してきたのは相撲協会ですよね? いまだ角界に蔓延する暴行行為を一掃できないのも相撲協会ですよね? そうした事柄に対して一切責任をとろうとしない無責任な組織に、他人に対して礼を要求する資格あるんでしょうかね。

 

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