sangak’s diary

ホラー漫画に規制?

殺戮モルフ(2): ヤングチャンピオン・コミックス

●黒塗りマンガ?

 

 12月20日発売予定の『殺戮モルフ』(秋田書店)の第2巻に関し、一部シーンが原作者に無断で黒塗りになっていることが明らかになりました。
 原作者の外薗昌也氏は、12日、「グロシーンを真っ黒に塗り潰されての発売となりました 真っ黒でなにがなんだかさっぱりわかりません 前代未聞です」とツイート。
 ファンが即座に反応し、情報は一気に拡散されました。ネット上では「戦後の教科書みたい」、「表現の自由が危ない」、「検閲・発禁、いよいよディストピアか」など、編集部の対応を批判する声が続出。
 そうしたファンに向けて、外薗氏は「斜陽産業の出版界に期待はしていない。10年前から諦めている。将来的には自社サイトで連載販売も考えていた」、「炎上騒動を見た別会社の編集さんから打診があった」など今後の対応について見解を発表していました。

●編集部の勇み足が原因?

 

 そして、最初の発表から一日たって、外薗氏は編集部から謝罪の連絡があったとツイート。
 事態の背景には、まず「本作の人気の高さについて、編集部もきちんと認識していた」いう前提があり、それゆえ編集部としても「発禁処分にさせてはならない」と配慮していたところ、年末進行による過密スケジュールに、外薗氏の体調不良などが重なったため、事後承諾のような形になってしまったというところらしい。
 編集部との確執や行政の圧力などではなく、ファンの方々も一安心といったところでしょう。

●好きか嫌いかは規制とは別次元

 

 過激な描写の是非については、個々人で思うところはあるでしょうし、個人的なことを言えば、この手の描写は好きではありません。
 しかし、そういった個人的な嗜好と、著作物に対する権利とは、まったく別の問題です。仮に編集部が描写に問題があると判断したのなら、それを作者に説明し、作者に書き直してもらうのが筋です。他人の作品を無断で改訂・修正するなど言語道断です。
 幸い、今回の一件では、編集部のほうにそうした意図が無かったということなので、騒動もすぐに沈静化することでしょう。
 問題は、すでに刷り上がった書籍をどうするかでしょうね。回収騒動となると出版社の負担が相当なことになると思うのですが……。