sangak’s diary

安藤美姫氏「ワリエワ選手のスケートはドーピングとは関係ない」

フィギュアスケート 2021-2022 シーズンガイド

〝鉄の女〟トゥトベリーゼの過酷指導を教え子が暴露「ゴミ箱に入れられ暴言を吐かれた」(東スポweb)
https://news.yahoo.co.jp/articles/59517ab525fb490964af15d1835d321d8c846630

 ドーピング問題の渦中にいるロシア・オリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ(15)らを指導しているエテリ・トゥトベリーゼ・コーチが、元門下生から過去の行き過ぎ指導を暴露された。
〝鉄の女〟こと同コーチは徹底した体重管理と厳しい指導で知られるが、昨年12月に採取されたワリエワの検体から禁止薬物トリメタジジンが検出されるドーピング違反が発覚したともあり、世界的に〝児童虐待〟との批判が一気に高まった。
(以上、記事より抜粋)

 本日のフジテレビバラエティ番組「バイキングMORE」でもこの件が取り上げられていましたが、番組はどちらかというとトゥトベリーゼ・コーチに対して寛容な反応でした。
 番組でコメントを求められた元フィギュアスケート選手の安藤美姫氏は「アレクサンドラ・トルソワ選手やアリョーナ・コストルナヤ選手のように、いったんトゥトベリーゼ・コーチのもとを離れながら、最終的に戻ってくるのをみると、ただ厳しいだけではなく、なにかあるのだろう」と、厳しい指導の一方で、コーチと選手の間に強い絆があることを示唆。
 同コーチのもとで育った選手が次の五輪に出ない件にしても「コーチの指導に問題があるというより、逆にあのロシアの優れた環境の中で優秀な若手が次々に育っているからではないか」と、活発な世代交代が理由であると全面的に擁護。
 さらに番組MCの坂上忍氏から、フィギュア界のドーピングに関して聞かれると「聞いたことがない。それだけに今回の件を聞いて驚いた」とコメント。続けてカミラ・ワリエワ選手個人についても「ドーピングしたからといって、あの技術は取得できない。彼女の技術、洗練されたスケートは、彼女自身のポテンシャル。『ドーピングすればあの域に達せられる』かのような報道があるが、それは別のことだと分かってほしい」と擁護しました。

 安藤氏のこのコメントを受けて坂上氏も「僕もそう思う。指導者、とくにスポーツのコーチなんて厳しいのが当たり前」と賛同。ほかの番組出演者たちも「一見、冷たくみえるがそれがロシアの常識といえるのではないか。子どもたちもそれを望んで入っている」(アンミカ氏)、「厳しさも含めて、『このコーチのほうがいい』と判断したのではないか」(高橋真麻氏)と次々に
 日本で「パワハラ」指導が取り上げられたとき、この方々は真逆のコメントを発せられていたように思いますが、ご本人たちの中では合理的で科学的な線引きがなされているのでしょうね、おそらく。

教え子の出戻りは本当に美談なのか?

 スポーツ選手ではない素人の自分には「厳しいだけでは、コーチのもとに戻ってこない」という意見には少々疑問があります。
 そもそもロシアという国には、ドーピング疑惑どころか、もっと真っ黒な噂が絶えません。国内で大統領に批判的なメディアへの弾圧が繰り返され、関係者の暗殺騒動などが頻繁に囁かれています。
 そういったことが日常茶飯事に行われている国で、一定の権力を持った人間が、一度手元においた優秀な人材を簡単に手放すでしょうか? 「戻ってきた」といいますが、それは本当に本人の意思なのでしょうか? 「戻らざるをえない状況」にされたという可能性はないのでしょうか?
 スタジオの方々は今回の中国五輪を批判する際に、性被害を告発後、表舞台から姿を消した中国の女子テニス選手、彭帥氏の名前をあげていましたが、「同じことがロシアで行われているのかも」と想像する人はひとりもいないのでしょうか?

 なお同番組では、スポーツライターの小林信也氏が、似たような懸念を示されていました。
 「一度離れた選手がコーチのもとに戻ってきたのは、コーチによって精神的に洗脳されている可能性もある。洗脳にはいろいろな手段があるが、最終的な手段は化学薬品なんです。(今回発覚した)ドーピングはその洗脳を完成させるための手段の可能性もある。もしそうだとしたら選手の尊厳を踏みにじっていることになる」とコメント。
 非常に興味深い意見のように思えるのですが、坂上氏は深堀りすることはなく、そのまま流してしまいました。